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シリーズ ハラスメント防止対策4
今回はアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)の中の【慈悲的差別】についてお話しします。
誰にでもある無意識の思い込み・決めつけ。私にもあります。
しかし、対人関係においては弊害もあります。慈悲的差別がもたらす悪影響について知って、理解していただき、回避する方法を身に着けていただければ幸いです。
この講座の目的は「人間関係」を円滑に自分にも相手にもここちよい関係をつくるためのものでございます。
それが結果的に人生を生きやすくするものでございます。当協会のモットーである「かかわり合い」を「かかわり愛」に変えるための講座です。
さて、慈悲的差別とはどんなものでしょう?
- おもいやりという名の思い込み
- 他者に「あわれみ」を抱いてしまう
- 相手に余計な言動をとってしまう差別
おもいやりって良いことなのに・・・どうしてそれが差別になってしまうのでしょう?
具体的な事例
1.障害者雇用の職場で『あの人にこんなことやらせてはかわいそうだよ』 2.家庭で子どもに『まだ小さいんだからかわいそうだよ、ひとりでできるわけない』 3.家庭で高齢の親に『もう高齢なんだから無理しないで、私がやるから大丈夫よ。 高齢者にやらせてはかわいそうだよ』 このような場面に遭ったことありますか?
共通しているのは『かわいそう』という気持ちですね。
その要因はなぜでしょう?
- 自分の中の『かわいそう』というあわれみ基準が低いこと
- 決めつけて疑わない姿勢『かわいそうに決まっている』
- 良かれと思ってやっている 自分の中の正当性
どうですか?思い当たることありますか?
その結果?
- 相手の気持ちを確認せずに、無視することになってしまう恐れ
- 相手の成長の妨げ。成長のチャンスを奪ってしまうことになる恐れ
相手の気持ちはどうでしょう?こちらの思い込み『きっとそうだ』と異なるかもしれません。
人から見て『それは無理』困難と思われることでも本人はやってみたいかもしれませんね。チャレンジしたかったと思っているかもしれません。
おもいやりの気持ちであっても「あわれみ」の決めつけは相手にとってつらい差別と感じてしまうこともあります。
ここでちょっと、こんな詩を読んだことありますか?
ドロシー・ロー・ノルトの詩です。子どもが育つ魔法の言葉
「子は親の鏡」という詩の中で『かわいそうな子だ、と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる』という一文があります。
『かわいそう』というあわれみをかけることは、人をみじめな気持ちにさせてしまうのです。誰にでもプライドがありますからね。傷つくのです。
あわれむよりも、いっしょに考えたり伴走することがだいじですね。
予防するには?
メタ認知能力を高める
慈悲的差別の行為者の傾向は、自分のことより周りの人が気になる傾向があります。面倒見が良くてやさしい面ももっています。
それだけに気づきにくい。
『どうしてそれがよくないの?親切にしてあげているだけなのに』と抵抗があるでしょう。
- 自分を俯瞰してみる。客観的に捉える癖をつける
- 家族や友人に考えを伝え分析してもらう
- 自分と相手は感覚も感受性も判断も異なることを認識する
- 思ったことは一度相手に確認してみてから行動する
まとめます!
慈悲的差別の行為者は「差別している」と思っていない。気づかない。
周りの人は傍観者にならずに、声をかけましょう。『ちょっとまって!相手の気持ちを聴いてみよう!』
今回もYouTube配信でのご視聴よろしくお願いいたします。
また少しでもお役に立ったと思われましたらYouTubeチャンネル登録していただけますと励みになります!
2022年9月3日公開
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