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オレンジリボン運動 児童虐待防止推進月間
オレンジリボン運動とは
「こどもに対する虐待」のない社会を目指して、毎年11月に児童虐待防止推進キャンペーンをおこなう月間運動です。当相談室も賛助会員になっています。個人の方も会員になれますよ。
こどもへの虐待は、家族や親だけでなく、保育園や幼稚園の先生、塾や習い事の先生、スポーツクラブの指導員など、こどもを取り巻く環境に発生することもあります。こどもがいる人もそうでない人も「他人事」にせず、社会全体、みんなで守ることができたらいいですね。
虐待をしてしまう人も、実は過去に虐待されていた!という例がかなり多くあります。
虐待は連鎖するのです。
それは無意識に連鎖することがあります。また虐待と思わず(わからず)に「しつけ」と称して、自分がされたのだから同じように言ったり叩いたりしても仕方ないとやっているケースがあります。昔は親もそのまた親も代々こどもには叱って言うことを聞かせようという考えだったのでしょう。
なぜでしょう?
それは、まず、人権という考え方が生まれたのは18世紀だそうで、世界の普遍的な価値として認められるようになったのは第二次世界大戦後だそうです。国際連合において1948年に採択された「世界人権宣言」はすべての人が生まれながらに基本的人権を持っていることを初めて公式に認められた宣言だそうです。日本では1947年に憲法14条に人権尊重の定が謳ってありますね。まだ100年も経っていないのです。長い人類の歴史の中で考えると極最近なんです。
人権尊重の憲法ができてから77年しか経っていないということは、いま子育て中の20代~40代のみなさんのご両親はその親御さん(祖父母)から教育され、その祖父母の親御さんはみなさんの曽祖父母となるわけで、世代が3代、4代前までは人権を無視した教育やしつけがなされていたわけでした。それで連鎖してしまうことがあるのです。決してすべてではありませんよ。各自で「よいしつけ、よい子育て」を学んで取り入れている人はたくさんいます。
人権宣言される前から人として「人を大切にする」意識の高い人たちもいましたが、人道教育も行き渡らない中、人の成長に関わる心理学も脳科学も知らない人が圧倒的多数で自分がされたままをこどもにも同じようにやっていた人がいるのも確かです。その中に虐待も虐待に近いものもあったことでしょう。
対人コミュニケーションも相手も自分も大切にするアサーティブ・コミュニケーションの理論が日本に入ってきたのは30年くらい前ですから、とくに言葉の選択や使い方はまだまだ批判的であったり、いきなり否定するような言葉も横行したままの現状があります。言葉も環境で影響されますから、自分を取り巻く親やおとなの言葉を覚えて育ちます。そしてそれがまた連鎖するのです。
みんな知らないだけなんです。
知らないことは罪ではありませんが、知ったら私たちから変えていきましょう。政府が戦後すぐに良いリードを取れなかったことは否めません。政府自体が意識を変えることができなければ変わりませんからね。でも今年から変化はみられると思います。
ただ課題は格差です。国民の中に教育格差や経済格差があることも今後なくしていく必要があると思います。どこに生まれても、どこで育っても、誰の子であっても公平に人権を守られる社会になることを願います。
※虐待かな?と思ったら、tel189(イチハヤク)へお電話してくださいね。