№9 コミュニケーションでマインドコントロールを予防するには

投稿日:2022.7.18

マインドコントロールとは?

マインド=こころ   コントロール=操作する  こころを支配・操作する

自分自身が自分のこころをコントロールするのは「感情のコントロール」ができていると言えて良いことですが、マインドコントロールという言葉が使われるときは、主に自分のこころを自分以外の誰かに操られてしまうことを意味します。

誰かとは親かもしれません。教師かもしれません。友人かもしれません。配偶者かもしれません。まったく見知らぬ人かもしれません。

過日の安倍元総理銃撃事件で、加害者の母親がある宗教団体に心酔し1億円以上の高額な寄付をして経済的にも精神的にも家族が破綻してしまった、という事例から「人が狂ってしまうほどのマインドコントロール」とは一体どのようなことなのか? また救うための支援としてどのようなコミュニケーションの仕方が良いのか?など考えてみましょう。

どんなときに?

多くはこころが弱っているときです。孤独なとき。何かに困っているとき。迷っているとき。不安なとき。何も考えられないくらいあたまが真っ白になってしまったとき。決められず葛藤していて解決の糸口が見つからないときなどです。しかし、それだけでは他者にこころを支配されることはありません。

なぜ、マインドコントロールされてしまうの?

自分で(主体的に)考えられなくなっているときに、人をコントロールしようと考えている者は、匂いを嗅ぎつけてそっと近づいてきます。わかるのでしょうね。人をコントロールしようとしている人は、それを良いことだと自分の考えを正当化している(正当化バイアスがかかっている)ので、悪いことをしている感覚がおそらくないのでしょう。その人自身もそうされて信者になっているので罪悪感がないのです。ここが恐ろしいところですね。

されてしまう人とされない人のちがいは何ですか?

誰でも人は、不安や悩むこと迷うことはあるでしょう。しかし、勧誘されて入信してしまうかどうかは人によって個々にちがいます。

悩みを一人で抱え込んでいるときに、そっと近づいて来る人がいて宗教とは言わず(見せずに)やさしく話を聴いてくれたらどうですか?

世間を知っていて(見聞が広く)冷静に客観的に捉えることができるなら、「なぜ?私に?何のために?」と疑うことでしょう。疑いは自分を守るために働く心理ですから。

しかし、世間知らず(社会性があまりなく)で、猜疑心がなく、さらに依存性の強い傾向(自分で決められない傾向)の人は「なんて、やさしい人だろう」とこころを許してしまうことが傾向としてあります。(絶対ではありませんが)

このように、

①相手から近づいてくる 

②世間知らず 

③猜疑心がない 

④依存心が強い 

⑤自分で決められない 

などの要素がマインドコントロールされやすい要因になっているのではないかと考えられます。

 

 

他者からコントロールされない人の特徴は、以下のようなことがあります。

①自分の考えや自分の価値基準が明白で、自分に自信がある 

②自分を客観的に捉える(俯瞰して見る)

③自分と異なる意見や考え、価値観にも冷静に耳を傾けられる 

④自分が好き(自己肯定感) 

⑤断る勇気がある 

⑥自分の人生を自分で引き受けている(自己責任できて他者のせいにしない)

⑦解決志向である

コミュニケーションの観点からできることは

自分自身とのコミュニケーション

①気持ちを書きだす 箇条書きでもなんでもOK

不安や悩みがあるときは葛藤(綱引き)しているときです。自分と自分が話し合えるように思い(気持ち)を書き出してみましょう。

②二人の自分がいることに気づきましょう

前向きにやっていこうと言う自分と、すぐに『でも・・・』『だけど・・・』と自己否定する後ろ向きな自分。この二人を対話させます。前向きなあなたが本来のあなたです!それを覚えておいてください。後ろ向きな自分をいったん自分の外に置いてみましょう。「ぬいぐるみ」人形を後ろ向きな自分にたとえて、椅子に座らせて話しかけます。前向きなあなたが話しかけることで前向きになってきます。自分で自分を説得するわけです。一回であきらめないで毎日繰り返しやっていきましょう。難しいと思ったらご相談ください。

まわりの人からのコミュニケーション

①家族や友人、職場の同僚、まわりの人にいちばんにお願いしたいのは、いきなり否定しないでほしいのです。マインドコントロールされやすい人は、気持ちのやさしい人で、強く言われると自分の気持ちを表現できなくなる傾向があります。言い出せないのです。言い出せないまま抱え込んでしまい、見知らぬ人でも黙ってじっくり聴いてくれる人を信じてしまいますから、家族・友人・同僚などはどんなに心配でも、怒ったり叱ったりしないで、『あなたを絶対に否定しないから、どうか安心して私に気持ちを聴かせてほしいんだ』と言って聞き出しましょう。

話してもらえたら、その日は『聴かせてもらえてうれしかった。ありがとう』と言いましょう。次に専門家に相談に行きましょう。

家庭内ではできるだけ命令系の口調で言わないことがいいですね。なにかを要求するときには、『〇〇さん、これをこうしてくれたら助かるわ、うれしいな、』という伝え方がいいですね。

 

そして、

自分と家族を詳しく知ること

1.自分も家族もそれぞれちがいます。お互いにどんな気質をもっているか?知ることがだいじです。性格テストなどいろいろ資料がありますから試してみましょう。敏感か鈍感か?不安に強いほうか弱いほうか、臆病かそうでないか、この辺が重要です。

2.なんでも話せる相手はいるかどうか?専門家を知っているか?困ったときにどこへ相談したらいいかを押さえて置くこと。

3.日常から自分の無意識の思い込み、決めつけ(アンコンシャスバイアス)はどんなものがあるか?書き出してみましょう。自分と家族の思い込みや決めつけを知ることと、それとはちがう意見や考えを広く知ることで、人生の選択の幅がぐんと広がります。しあわせな人生を歩みましょう。

 

 

 

ディズニー映画の【インサイド・ヘッド】ぜひ、一度ご覧になってください。自分の感情(気持ち)を客観的につかむ、ひとつのキッカケになるかもしれませんよ。

 

そして、政治家や政党は、いくら組織票が欲しいからと言っても、このような宗教団体と一切の関係を持たないことが重要です。政治はきちんとしたマニフェストを公表し賛同者を集めましょう!

 

ご質問は遠慮なくメッセージで送ってください。

カテゴリー:コラム

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